
データ通信量を節約しながら
海外で快適に過ごすコツ
現代の海外旅行で欠かせないもののひとつであるデータ通信。ナビ・地図アプリの使用、現地での情報検索、家族や友人との連絡、翻訳ツールの使用、SNS投稿やクラウド保存。海外旅行でなくてはならないツールばかりでいかに重要なものか伝わってくるかと思います。
しかし、高額なローミング請求やセキュリティの不安、通信速度や品質などの様々な課題が存在します。
この記事では、データ通信量を節約しながら快適に旅行を満喫できる方法を紹介していきます。
海外でのデータ通信の基本知識
eSIMと従来の国際ローミングの違い
国際ローミング
回線を変更することなく、そのままの状態で利用できるのが国際ローミングです。いつもの端末でいつものプランで利用できるため、手軽なのがメリットです。
しかし、そのまま国際ローミングにしておくとデータ通信料金が非常に高額になる可能性があるという大きなデメリットがあります。
海外でデータ通信を行うと、通常料金よりも高額な料金が発生し、場合によっては数万円を超える請求になることもあります。
eSIM
事前のアクティベーションや回線の変更が必要ですが、オンラインで手続きが完結するので店舗等に行く必要はなく、最短即日で手軽に利用できます。
国際ローミングは日本の回線を海外で使うのに対して、eSIMは現地の通信会社を使うので通信料が安く抑えられます。
また、様々なプランがあるので自分に合ったものを選ぶことで余分な通信や費用を抑えることができます。
データ通信量の目安
主な用途別の消費量を紹介します。
利用シーン | データ消費量(目安) |
---|---|
Googleマップのナビ使用 | 約5~10MB / 時間 |
SNS閲覧(Instagram, X など) | 約30~100MB / 時間 |
SNS投稿(画像付き) | 約5~20MB / 投稿 |
WEB検索・サイト閲覧 | 約20~50MB / 時間 |
メッセージアプリ(LINEなど) | 約1~5MB / 時間 |
LINE通話(音声) | 約20MB / 時間 |
LINEビデオ通話 | 約200MB / 時間 |
YouTube(低画質 144p〜240p) | 約100MB / 時間 |
YouTube(中画質 480p) | 約300〜500MB / 時間 |
YouTube(高画質 720p〜1080p) | 約700MB〜1.5GB / 時間 |
音楽ストリーミング(Spotify等) | 約40〜150MB / 時間 |
オンラインゲーム(軽めのもの) | 約30〜100MB / 時間 |
ビデオ会議(Zoom、Meetなど) | 約500MB〜1GB / 時間 |
写真・動画のクラウドバックアップ | 写真1枚=約3〜5MB、動画1分=約60〜100MB |
データ容量の選び方の基本原則
旅行日数に合わせて計算する
目安として一日当たり200~500MB程度と言われています。動画視聴が多い場合はもっと大きく計算したほうが良いかもしれません。
利用スタイルを考える
具体的な例は以下の通りです。
- Googleマップ・LINE・検索が中心 → 少なめOK(1GB前後)
- 動画視聴やSNS投稿が多い → 中容量(3GB〜5GB)
- ビデオ通話や大容量利用あり → 大容量(10GB以上)
フリーWi-Fiの有無
ホテルやカフェにWi-Fiがある場合は少なめで節約できます。常に外で使う予定でしたら余裕をもった容量をおすすめします。
余ったり足りなくなったりした場合
eSIMによっては「追加購入」や「容量繰り越し」ができないことが多いので、少し多めに買っておく方が安心です。大きな容量を希望する場合はデータ無制限のプランにしておくと安心して旅行できるのでおすすめです。
出発前の準備:データ節約の第一歩
事前にダウンロード
事前にダウンロードできるコンテンツのダウンロードをしておくことで、現地でのデータ消費を節約することができます。
準備できるコンテンツの例としては、
- オフラインマップ(Google Mapなど)
- 翻訳アプリと言語データ(オフライン言語パックなど)
- 移動・予約系アプリとそのデータ
- 旅行書類のPDF
などが挙げられます。
スマートフォンの設定最適化
スマートフォンの設定を最適化しておくことで通信容量を抑えられるだけでなく、通信速度が向上したりバッテリーの消費を抑えることができます。
最適化の例としては、
- バックグラウンドデータ通信の制限設定
- 自動アップデートをWi-Fi接続時のみに設定
- クラウド同期の最適化設定
- 低データモードの有効化
が挙げられます。
旅行中のデータ節約テクニック
安全な公共Wi-Fiの見分け方
基本的に公共のWi-Fiは信用しすぎない意識を持つことが重要です
しかし、比較的安全なWi-Fiを見分けることは可能です。注目すべきポイントを紹介します。
パスワードが設定されているか
ホテルやカフェなどにあるパスワード付きのWi-Fiは比較的安全です。完全にフリーなWi-Fiは危険度が高いです。
提供元が明確か
空港やホテル、カフェなどの正式名称(公式な提供元)が確認できるような名前のWi-Fiかを確認してください。
HTTPS通信を使用できるか
URLが「https://」で始まるサイトだけを利用してください。鍵マークが出ないサイトでは個人情報を入力しないことをおすすめします。
ログイン画面で不審な情報を要求してこないか
メールやクレジットカード番号の入力を求めるWi-Fiは危険です。個人情報が漏洩する恐れもありますのでおすすめできません。
VPNを使用する
安全なWi-FiでもVPNを併用することでデータ盗聴を防止することができます。
広告が出てくるか
接続後に勝手に広告が表示される場合も少し注意が必要です。不正なリダイレクトやウイルスのリスクがあります。
Wi-Fi接続時にやっておくべきデータ同期作業
Wi-Fi接続時にやっておきたい作業として、
- 写真や動画のクラウドバックアップ
- 地図アプリのオフラインデータ更新
- アプリやシステムのアップデート確認
- メッセージアプリの履歴同期
- SNS投稿データや下書きの同期
- ストリーミングアプリのライブラリ同期
などがあります。不安定な通信やデータ消費量を抑えることができます。
VPNの活用方法と注意点
公共Wi-Fi利用時のセキュリティ対策
VPNを使用すると通信内容が暗号化されるので、個人情報やパスワードの漏洩を防ぐことができます。
日本国内向けのサービスが利用できる
海外からは見られない日本の動画サイトや銀行などのサービスでもVPNで日本のサーバーを選択しておくことでアクセスが可能になります。
注意点
VPN経由になるため通信速度が低下することがあります。また、アプリごとにVPNが機能しないこともあります。現地サービスを快適に利用したい場合は「日本」から「現地」に設定を切り替える必要がございます。
デバイス別:データ節約設定ガイド
iPhone向け詳細設定
各アプリのデータ使用許可の設定方法
- 「設定」を開く
- 「モバイル通信」または「モバイルデータ」を選択
- アプリごとにスイッチを切り替える
低データモードの有効化手順
- 「設定」アプリを開く
- 「モバイル通信」または「モバイルデータ」をタップ
- 使用している回線を選択
- 「低データモード」をオンにする
iCloudの同期設定最適化
具体的にどのような設定をすればよいかは以下の通りです。
- 写真の同期を一時停止・制限する
- iCloud Driveの同期設定を制限する
- 必要なアプリのみiCloud同期を有効にする
- バックアップの自動実行をWi-Fi時のみに限定する
Android向け詳細設定
データセーバーの設定方法
- 設定アプリを開く
- 「ネットワークとインターネット」または「接続」をタップ
- 「データセーバー」を選択
- 「データセーバーを使用」をオンにする
アプリごとのバックグラウンドデータ制限設定
- 「設定」を開く
- 「ネットワークとインターネット」または「接続」をタップ
- 「モバイルネットワーク」または「データ使用量」を選択
- 「アプリのデータ使用量」または「アプリごとのデータ使用量」をタップ
- 制限したいアプリを選ぶ
- バックグラウンドデータの許可のスイッチをオフにする
データ使用量の警告値と上限値の設定方法
- 「設定」を開く
- 「ネットワークとインターネット」>「SIM」または「モバイルネットワーク」をタップ
- 「データ警告を設定」をオンにし、警告を表示したいデータ量を入力
- 「データ上限を設定」をオンにし、通信を自動で止めたい上限値を入力
- 必要に応じて、リセット日(毎月の起算日)も設定
旅行シーン別:データ節約術
様々なシーンごとにデータを節約できる方法の例を紹介します。
観光地での活用法
- 観光スポット情報の事前ダウンロード
- 写真撮影とアップロードの分離
- 現地情報アプリのオフラインデータの活用
レストラン・カフェでの活用法
- メニュー翻訳アプリをオフラインで使用
- 口コミサイトの事前チェックとキャッシュの保存
- 支払いアプリのデータ使用量の削減
移動中の活用法
- 交通機関アプリのオフライン機能の活用(時刻表などのダウンロード)
- 長距離移動時のエンターテイメント準備(ストリーミングの保存)
- 位置情報サービスを不要な時に一時停止する
よくある質問
Q:Wi-Fi接続が不安定な場合はどうすればいいですか?
A:Wi-Fiを一度オフ→オンにしたり、接続の再設定、スマホ自体の再起動などの方法があります。お試しください。
Q:写真や動画を家族と共有するには?
A:iCloudやGoogle Drive、DropBoxなどのクラウドストレージサービスにて共有したい相手を設定してデータを共有することが可能です。ご活用ください。
Q:地図アプリを使いながらデータ使用量を抑えるには?
A:事前に地図をダウンロードしておく他にリアルタイム交通情報をオフにする、低画質・省データモードを活用するといった方法がございます。
Q:急にデータ容量が必要になった場合はどうすればいいですか?
A:おてがるeSIMではデータ容量の追加や期間の延長ができません。また新たにeSIMをご購入ください。
会社やプランによって対応が異なりますので、ご確認ください。
まとめ
データ節約で海外旅行をもっと快適に!
海外旅行中もスマホを安心・快適に使うには、事前準備+ちょっとした工夫がカギです。
- eSIMを活用して、高額なローミングを回避
- 日数や使い方に応じて容量を選ぶのがポイント
- 出発前に地図・翻訳・書類をダウンロードしておこう
- 低データモード・アプリ別制限でムダな通信を防止
- Wi-Fi利用時は安全性とVPN利用も忘れずに
- 万が一に備えて容量に余裕を持って契約を!
ちょっとの工夫をして、快適で安心な海外通信ライフを楽しみましょう!!